日本の医療機関、病院の数、それに医師や看護師などの医療従事者の分布は、西高東低となっています。ですので九州地方が割合とし
ては病院の数も医師の数も充実していると言えます。数だけで言えば都心など首都圏の方が多くはなりますが、人口との割合を考えると都心は人口が多いですからそれほど多いとはいえません。現在医師や看護師の慢性的な不足、そして医師の地域や診療科の偏在が問題となっていますが、医師の数が満足にあるところは都心と地方都市部くらいと言えるでしょう。足りていると思われる九州地方も、福岡市など大きな都市は充実していますが都市部以外では不足しているという状態もあります。やはり働く医師としても交通の便がよかったり、レジャーや住みやすさを考えると都心などの方が、と思うのは当たり前のことです。研修医制度が改定されてから研修医が自分の研修先を選ぶことが出来るようになったのが、この医師偏在問題はより大きくなっていきました。それまでは自動的に割り振りされていたので全国各地に研修医が平等にいたのですがそうではなくなりました。この研修医制度は病院と研修医からの満足度は高いのですが、代わりにこういった弊害を生み出してしまいました。この問題を解決するには地方の医療機関の充実を図り研修医が働きたいと思うような場所にすることや、地元出身の医学部生の養成などがあげられます。特に医師不足が顕著な東北地方に医学部を新設する動きがありますが、少しでも成果があるといいと思います。
